平成28年3月3日で廃業する世田谷区17番「鶴の湯」へいきました。
昭和の面影が残る建物。
入店すると番台に店主の姿はありません。
これはもう大分以前からのことで、店主一人で経営していたようで番台を空けることが多いのだそうです。
昭和11年創業です。
今回の廃業を決めた理由は、店主の健康上の問題が一番で(今のご主人は35年前にこちらにいらしたそうです。。)、あとは建物の老朽化による故障が顕著になってきたこともあげられます。
確かに浴室全体ののペンキの剥がれが著しい。
ペンキ絵は三保の松原?からの富士山画で男女浴室にまたがって描かれていますが5割位剥がれが著しいのでよーくみないと富士山もわからない感じです。
ただ男女浴室を仕切る壁にはモザイクタイル絵が。池に白鳥が5羽泳いでいてのほとりには、水車と小屋が左右奥3つあり背景は森でした。タイル絵は劣化があまりない分、渋味が増しそれがとてもいい。浴槽から見ながら温湯に入っているといつまでも見てしまうくらい飽きない感じがありました。
カランは壁に左右7と中央に5×2×2とありそのうち浴室入口から入って左側すべてのカランにシャワーはついていません。
浴槽は3つあり変わり湯、超音波マッサージ湯、深湯で43℃位の熱さの湯ですが変わり湯は38℃以下に感じたがかなり温いお湯でした。
その変わり湯ははちみつ湯の入浴剤でした。
その壁には「エッキス」という広告看板がついていてなんともこれがレトロっぽい。天然の岩を粉砕した入浴剤 で色は白い(カルシウム、マグネシウム含有)が入浴剤がタオルや膚に白く付かないと記してありました。この公衆浴場で使用されていた入浴剤で、確かにスタンプにも描かれていました。効能は神経痛や痔、健 胃、あせも 等。
脱衣所ロッカーの上には小物類や靴下、Tシャツが格安でかごの中に無造作におかれており、掘り出し物を探して購入。公衆浴場を出るときに「ありがとうございました。お疲れさまでした。」と言ってあとにしました。
追記:ウルトラマンオーブが愛した銭湯でした。。
※女性浴室のカラン壁絵は海中の熱帯魚のタイル絵でした。(銭湯サポートさん提供)